契約書作成の必要性

取引を行うにあたり、契約書を作成することが、なぜ必要なのでしょうか。

それは、契約書が、

  1. 紛争の予防に役立つ

  2. .紛争が起きても早期に解決が可能となる

  3. 紛争が大きくなることを防いでくれる

    からです。

1.紛争の予防について(認識のズレを防ぐ)

例えば、「XがYから物品Aを100箱購入する」という取引があるとしましょう。

もちろん、XもYも、「1箱に物品Aは6個入っている」と認識していれば、問題はありません。

しかし、「物品Aが入った箱」には、「6個入りの箱」と「12個入りの箱」があり、Xが、「12個入りの箱」だと考えていたところ、Yは、「6個入りの箱」であると考えていたら、どうなるでしょうか?

国内の取引では、このようなことはあまりないかもしれません。しかし、海外企業との取引では、この「当たり前」という共通の認識がないこともあります。

この認識の違いをなくしていく作業が、契約書を作成するということなのです。

「1箱」とは、「6個入りの箱」を指すのか、「12個入りの箱」を指すのか、取引の内容を明確にすることが、紛争を予防することにつながるのです。

2.紛争の早期解決と拡大の防止(トラブル対策)

例えば、さきほどのXとYとの取引の場合に、Xが受け取った物品10個に不具合があった場合、何通りかの解決方法が考えられます。よくある方法としては、「代金減額(値引き)」と「不良品の交換」です。

Xは、10個分の代金を減額して欲しいと考え、Yは、不具合のない10個を交換したいと考えていたら、解決方法をめぐって交渉をしなくてはならず、解決まで時間がかかってしまいます。。

もし契約書に、「不良品は、交換する」とはっきりと書かれていれば、解決までの時間は短縮できることになります。

あくまでこれは一例にすぎませんが、明確な取り決めがあるということは、問題が生じた場合でも、早期解決と紛争が拡大することを防ぐことにつながります。

このように、取引をめぐる紛争の原因は、主として、認識のズレ(上記1.)や想定外の事態の発生(上記2.)にありますが、いずれも、国内取引においてよりも、国際取引においての方が、格段に発生しやすいと言えます。

したがって、国際取引において契約書を作成する必要性は、国内取引におけるそれよりも、より一層高いものなのです。

契約交渉を開始する前に(事前相談の重要性)

以上のとおり、契約書作成の目的は、「1.紛争の予防」と「2.紛争の拡大の防止」にあります。

国際取引は、国内取引よりも、紛争が発生するリスクが高く、また、一般的に、リスクが生じた場合の損害も多額になりがちです。

リスクをできる限り回避するために、取引開始前に、弁護士へのご相談をお勧めいたします。